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受け入れ企業インタビュー vol.15

人生経験、責任感、コミュニケーション能力
児童クラブはシルバー世代だからこそ輝ける職場

田代児童クラブ運営委員会会長
山下 つきみ(ヤマシタ ツキミ)さん

田代児童クラブ代表山下さん

従業員 5名
60歳以上の就労者 2名

※内容は2020年8月時点のものです。

田代児童クラブ代表山下さん

田代児童クラブは、南九州市の廃校になった小学校のすぐ近くにある学童保育施設だ。かつてはすぐそばの小学校に通う児童たちが、学校が終わると1分もかからない場所にある児童クラブに「ただいま!」と駆け込んできた。今は離れた場所にある小学校からスクールバスで通ってくる。田代児童クラブでは、開業時からシルバー人材センターの会員を支援員または補助員として雇用しているという。田代児童クラブ運営委員会会長である山下つきみさんに、シルバー人材の雇用について話をうかがった。

人生経験と自由に使える時間が活かせる仕事

放課後や長期休暇の間、児童クラブにやってくる小学生たちを「見守る」のが児童クラブで働くスタッフの仕事だ。子どもたちは宿題をしたり、外や屋内で遊んだりするほか、バスを借りて遠足に行くこともある。田代児童クラブでは、現在60代のシルバー人材センター会員が男女一名ずつ、それ以前は教員の経験がある男性会員2名が勤務していた。今年10月にも男性が1名増える予定で、雇用する全メンバー5名中3名がシルバー人材会員となる予定だ。どのシルバー会員も体調や体力的な問題から続けるのが厳しくなる80歳前後まで働き、惜しまれながら卒業していった。

田代児童クラブ代表山下さん

シルバー世代は、児童クラブでは欠かせない存在だと山下さんは語る、 「児童クラブの仕事は、子どもとはいえ人相手。また、子どもの保護者とも接します。子ども相手であっても人と接する仕事は難しいことが多いのですが、人生のベテランの域にいるシルバーの方はうまくこなして下さる。じいちゃんばあちゃんの知恵のような、そういうものが生かせる職場ではないでしょうか」

田代児童クラブ代表山下さん

シルバー人材センター会員について語る山下さん

子育てを含む人生経験以外にも、シルバー世代に頼る部分は大きい。

「勤務時間は夕方の3時から6時半までですが、どうしてもその時間、家を空けられる人というのは限定されてしまいます。特に若い世代は難しい。そうなると、子育てが終わった、夕方でも時間を自由に調整できるシルバーの方にお願いするしかないのです」

児童クラブは、シルバー世代だからこそ活躍できる職場

これまで田代児童クラブに勤務したシルバー会員は、いずれも自ら「遊び」を持ち込んで子ども達に新しい経験をさせてきたという。

田代児童クラブ代表山下さん

ある会員は、手作りの将棋の盤と駒を持ってきて子ども達に将棋を教えた。子ども達はこれを喜び、そのシルバー会員と将棋の対局をするために順番待ちの列ができたという。わざと負けて子どもを喜ばせたり、勝てずに悔しがる機会を与えたりと、単調にならないように工夫を重ねた。

また、釣りが好きなシルバー会員がいたときは、釣り竿を備品として用意しみんなで釣りを楽しんだ。子ども達も「あの人が来る日は釣りに行ける、魚の話が聞ける」と心待ちにしていたという。

田代児童クラブ代表山下さん

自然に囲まれた児童クラブ

現在勤務しているシルバー人材の女性会員は手先を使った細かい作業が得意。手芸や折り紙を子ども達と楽しんでいる。一方で、今年4月から勤務し始めた男性会員はまだ子どもに慣れない面もあるが、山に行って笹を切って来たり、大掃除の際には積極的に動いたりと児童クラブでの力仕事に大きく貢献している。

児童クラブが用意した遊び道具もある。しかし山下さんは「シルバー会員ならではの人生経験を生かした遊び方を子ども達に伝えていただければ」と期待している。年齢を重ねているからこそ伝えられる「その人にしかできない何か」が求められる職場なのだ。

田代児童クラブ代表山下さん

シルバー世代が活躍できる職場である一方、課題もある。児童クラブは、これまで地域の子どもを地域の大人が見守る場所として捉えられてきた。そのため、児童クラブの仕事は、地域に住んでいて子どもが好きな人なら誰でもできる「近所の子どもを見守る」仕事だった。しかし近年になって国の制度が変わり、今は支援員の資格を持つ人の監督が必要となった。現在通うスタッフも研修を受けてはいるが、支援員の資格を取得するために必要な実働時間を満たすのは容易ではない。保育士や教員免許、養護教諭などの教育に関わる資格がある人が求められている。

頼りになる、シルバー世代の責任感の強さ

「子どもの気持ちに寄り添いながら、時には厳しく、けがをさせない」ことを山下さんは常にスタッフに伝えている。しかしどんなに注意していても、指導員・補助員がしっかり見ていても予測できない事故が起こることはある。

外で泥遊びをする子どもたち

しかし、普段から保護者とよい関係が築けていれば、何か問題が起こっても逆に保護者から労わりや気遣いの言葉がかけられ、平和に解決できる。毎日必ず保護者が子どもを迎えに来るため、そこでどのように声掛けをしてきたか、どんな会話を積み重ねてきたかが大切だ。若い世代だと難しいと感じることが多くても、シルバー世代なら比較的、難なくこなしやすい。長年培ってきたコミュニケーション力が生きる場面だ。

子ども達はいつも元気で、パワフルだ。走り回るのが日常で、大人の言うことを聞かないことも珍しくないため、スタッフが少し感情的になるシーンもあるという。してはいけないことをした子を叱らなくてはいけない場面もあるが、自分の子どもではないため叱り方も難しい。また、叱ったところで、それが通じない場面もある。

田代児童クラブ代表山下さん

けれど、大変さを理由に音を上げて辞める人はいない。いくら憎まれ口をたたかれても、子どもの無邪気な一面が見えるとそちらが勝ってしまうのだという。そのため、体力が続く限り長く勤務する人ばかりだ。

また、シルバー世代は責任感の強い人材ばかりであることに、雇用して初めて気付いたという。一つ間違えれば大きな問題が起こる職場であるだけに、それを自覚し強い責任感を持って働いてくれるスタッフがいることは心強く、頼りがいがある。

近年薄れつつある地域のつながりを深めつつ、人生経験が活かせる児童クラブ。資格という問題もあるが、シルバーが求められていることは間違いない。

南九州市シルバー人材センター

〒897-0215 鹿児島県南九州市川辺町平山7354

TEL:0993-56-6341

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