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活躍中のシニアインタビュー vol.37

サビだらけの刃物がきれいになり、
お客さんが喜ぶ顔が何よりうれしい

大崎町シルバー人材センター会員
冨倉 義彦(トミクラ ヨシヒコ)さん

大崎町シルバー人材センター富倉さん

年齢 84歳
活動内容 刃物研ぎ
活動時間 1~2日/月

※ご年齢は2020年12月時点のものです

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

鹿児島県曽於郡大崎町のシルバー人材センターの敷地内では、毎週水曜に刃物研ぎが行われている。包丁や剪定ばさみなどの刃物を持参すると、きれいに研いだうえで壊れた部分のメンテナンスまでしてもらえることもあり、とても便利だ。刃物研ぎはシルバー人材センターの複数の会員が順番に行っていて、その刃物研ぎ班の班長を務めるのが、冨倉義彦(とみくらよしひこ)さん、84歳。キャップのつばを後ろ向きにかぶり直し真剣なまなざしで刃物を研ぐ姿と、刃物を持たないときののんびりした優しい口調のギャップが魅力的だ。刃物研ぎを始めた経緯や仕事のやりがいなどについて、話を聞いた。

刃物研ぎは1人でゆっくり思うようにできる仕事

冨倉さんは大崎町で生まれ育った薩摩隼人だ。30年ほど神戸の企業に勤務し、その間は鹿児島を離れていたが、定年を迎えたあと60歳で再び大崎町に戻ってきた。神戸では製鉄関係の企業で運送を担当。現在も「鉄を研ぐ」仕事をしていると考えると、不思議な縁を感じる。

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

神戸時代は鉄を扱う会社にいたが、自身の手で鉄を加工することはなかった。刃物に触れるようになったのは、大崎に戻ってきて建設会社で働き始めてから。その時にカンナをはじめとした刃物を多く扱うようになったという。その建築会社に2年ほど勤務したが、年齢を重ねるとさすがに体が動かなくなってきた。しかしずっと家にいる気にもなれず、何かできることはないかとシルバー人材センターの会員になったという。シルバー人材センターにはいろいろな仕事があり、最初は剪定を担当。しかし高齢になり梯子に登るのが難しくなってきたため、刃物研ぎを始めた。その刃物研ぎも10年のキャリアになる。「刃物研ぎは、自分の思うように一人でゆっくりできる。そういうところがいい」と冨倉さんは笑顔をこぼす。

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

冨倉さんの仕事は、1カ月に1回か2回。朝9時から15時までだが、依頼が多いときは17時頃までかかる。仕事は一人でやるので、忙しい時期は1日で終わらず、翌日に持ち越すこともあるのだとか。特に田植えや刈り取りの時期、剪定が増える季節は多くの刃物が持ち込まれるという。

「剪定の時期には、いろいろなものを研ぎます。大体みんな、サビがいっぱいついてもう動かんやつを持ってくるから、油をかけて、動くようになったら今度はサビを落として、それから機械にかけて研いで、最後に仕上げ」

何でもないことのように語るが、柄が折れた刃物が持ち込まれれば柄から刃物を取り出さなくてはならず、苦労することも多い。しかし壊れた刃物でも直せると判断したものはきちんと磨き、最後にはきれいに仕上げて使える状態まで整える。

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

冨倉さんに、仕事をしていてうれしい瞬間はと聞いてみた。

「昔はよく切れて使いやすかったと柄の折れた包丁や刃物を持ってこられて、『なんとかならない?』と聞かれるのです。それを『やりますよ』って言うと、嬉しそうにされる。サビだらけの刃物もきれいにすると、『きれいになったわ』と喜んでくれます。お客さんに喜んでもらえると嬉しい」

仕事をする上で大切にしているのは、お客さんとのコミュニケーションで、雑談を楽しむことも多い。町で会うと「このあいだはありがとう」とお礼を言われる。地元の人々が日々使うたくさんの刃物を、冨倉さんが研いできたことがわかるエピソードだ。

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

農作業、パチンコ、一人カラオケ。趣味を持つことが大切

冨倉さん自身は84歳だが、自分でできる範囲で、立ち仕事ができる間は刃物研ぎを続けたいと語る。「自分ですることがなかったら、早く年を取りますからね」

元気でいるために何かをしているのかと尋ねると、カラオケだと教えてくれた。お酒を飲んで自宅のカラオケで好きな歌を歌っている。「カラオケは肺の運動。歌を歌ったら肺が元気になります」とにこやかに笑う顔を見ると、こちらも笑顔になってしまう。

元気と健康の秘訣はそれだけではない。家でじっとしているのが苦手で、仕事が休みの日は家庭菜園の手入れをする。作っているのはブロッコリーや白菜、ほうれん草など野菜が中心だ。「自分で作った野菜を食べるのが新鮮だし、一番いい」と冨倉さん。パチンコも趣味の1つで、家でじっとしているよりはとパチンコ店に打ちに行く。外で何かをしていたい性分だ。

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

趣味を作って外へ出かける、出かけるだけで気分が変わる

あちこちで会う人とおしゃべりに興じるのはもちろん、車で宮崎県や鹿児島県のあちこちに遊びに行ったり、冨倉さんは毎日を楽しんでいる。その一方、外に出たいがきっかけがないというシルバー世代も多い。外に出ないとどうしても人と話す機会が減り、足腰も弱くなりがちだ。なにより「楽しむ」チャンスが減ってしまう。どうすれば外に出やすくなるのだろう、外で何をすればいいのだろうかと悩む高齢者や家族も多いだろう。冨倉さんにアドバイスを求めると「やっぱり趣味を持つことやな」とシンプルな答えが返ってきた。

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

「グランドゴルフとかそういうのをするとだいぶいいのでしょうけど。人付き合いが苦手な人もいますからね。そういう人も、趣味を持つといい。外に出ていろんな風景を見て話したら気が晴れるし」

パチンコのように一人でやる趣味でも、外に出るだけで気分は変わるし、そこで出会う人もいる。冨倉さんのように仕事をしてお客さんと世間話を楽しむのでもいい。冨倉さんが教えてくれた“年齢を重ねても楽しく豊かに暮らすコツ”は、多くの人にも有効なはずだ。

大崎町シルバー人材センター

大崎町シルバー人材センターの写真

〒899-7305 鹿児島県曽於郡大崎町假宿1870

TEL:099-476-0202

大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真大崎町シルバー人材センター富倉さんの写真

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