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シニアの復職支援について

病気や怪我をしてもあきらめる必要はない
シニアの復職支援について作業療法士に聞く

大隅鹿屋病院 リハビリテーション室 作業療法士 主任
奥山 貴幸(おくやま たかゆき)さん

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作業療法士とは
作業療法士は、病気や障害、高齢化によって日常生活活動が上手く立ち行かなくなった際に、実際の生活動作を訓練として治療を行う。また、趣味活動や就労環境への適応など、その人がその人らしく自信を持って生活するために、日常のありとあらゆることを治療の手段として用い、オーダーメイドで行う療法を行う専門家。

「茶わん蒸しの味はどう?おいしい?それは良かった!」
患者と笑顔で会話をしているのは、大隅鹿屋病院で作業療法士をしている奥山貴幸さん。
院内のリハビリテーション室で調理を行っているが、いったいどういうことなのか。
「茶わん蒸しを作る順序を思い浮かべて下さい。冷蔵庫から卵を取り出す、卵を割ってかき混ぜる、お皿に注いで、それを蒸し器に移して蒸す、スプーンですくって食べる。1つ1つの動作がリハビリになります。これも日常生活を送れるようにするための治療の一つです」
そのほか作業療法士には、就労や地域活動への参加など、社会に適応する能力を維持・改善する役割がある。
加齢や怪我・病気による身体的不自由のために一度は就労をあきらめてしまった人を近くで見てきた奥山さん。たたリハビリをして職場復帰を果たした人も多い。奥山さんが接してきた患者を例に交えながら、作業療法士としてシニアが働くことについての思いを伺った。 blog-okuyama-img1

古代からいわれていた「仕事」と「健康」の深い結びつき

――作業療法士にとって働くとは

WHOの健康の定義は『健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること』とされています。単に身体的に健康というだけではなくて、心が安定している事や質の良い人付き合いがあることなどが大事です。
また、今から1900年前、ローマ帝国時代に医学者であり哲学者であったギリシャのガレノスは「仕事は天然の医師なり」と言い、仕事を治療の一環として用いていました。
古代より「仕事」や「やりがい」を持つことは身体的、精神的、社会的により良くなる事が分かっていたんですね。
私たち作業療法士を英語で「occupational therapist」といいます。「occupational」は「職業」や「仕事」という意味も持ちますので、作業療法士を直訳すると「職業療法士」となります。よって年齢や障害に関わらず働く事を支援する事も作業療法士の範疇となります。

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「生きがい」が自信を取り戻す

――具体的にどんなフォローをしているのか。

これまで仕事をされていて、加齢や怪我・病気で身体的な不自由があり、仕事から離れざるを得なかった方の多くが、精神的に落ち込みます。その人たちがどうやって立ちなおり、社会復帰をしたのか。共通していたのは「生きがい」を見つけたことです。

例えば・・・

  • 60代男性Aさんの場合
    Aさんはたこ焼き屋を営んでいたのですが、ある症状のため仕事ができなくなりました。仕事と共にやりがいも失い、自暴自棄から看護師さんに悪態をつくこともありました。たまたま、ほかの患者さんの中に「たこ焼きを食べたい」という方がいたので、せっかくですからAさんにたこ焼き作りをお願いしたんです。最初は嫌々そうでしたが、材料をアドバイスしていただいたり、実際に手つきを示していただいたり……最終的には、“ねじり鉢巻き”姿でたこ焼きを作っていましたからね(笑)。次第に看護師さんへ文句を言うこともなくなり、無事社会復帰されました。
  • 70代男性Bさんの場合
    Bさんは、事故で首の神経を痛めて、筋力の低下やしびれなどの感覚の障害が出ました。鉄工所を経営されていたのですが、体が不自由になったから廃業しようと考えていたんです。「こんな握力じゃハンマーが持てん……」という状態から少しずつリハビリをしていきました。重いものが持てるように身体的なリハビリもしましたが、同様に自信を取り戻すという精神的なリハビリもしました。通院・リハビリをふくめ2年かかりましたが、今も鉄工所を経営されています。復帰直後の最初の仕事に、私から当院のイスの部品を依頼しました。それを笑顔で届けに来てくれたことが今でも目に焼き付いています。

この2つの例からわかることは「社会とのつながり」や「周りから認められる・頼られる」、「何かを与える喜び」が「生きがい」になるということです。
その人の力や技術、知恵、情熱、愛情などが周りに必要とされると、自信を取り戻し、自己の尊厳を取り戻します。

――もし「生きがい」がなかったらどうなることが考えられるのか。

やることがなく行動範囲が狭いと体力が落ちてしまい、社会的交流が少なく孤立してしまうと、うつ病になりやすいかもしれません。さらに、脳に刺激がなくなり、人によっては物忘れが出現し、さらに進行すれば認知症に移行する可能性があります。

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「アクティブ・エイジング」のすすめ

――高齢者が働きやすくなるために

高齢者だから出来ないというマイナスな部分に目が行きがちです。ですので、色眼鏡で見ない、あるいは、見られない社会、多様性のある社会づくりが大事だと思います。
また、ご本人でさえも「歳だから今更、新しいことを始めることが恥ずかしい」などと言ったこともあるかもしれません。しかし、高齢者でもタブレットを使いこなしたり、社交ダンスに挑戦したり、恋をしたり、新しい仕事に挑戦したりすることなどが、素敵に年を重ねる「アクティブ・エイジング」の重要な要素になると言えます。それらを容認する、後押しする社会になることが望ましいと思います。そのための一翼を作業療法士として担えたらと思います。

――作業療法士としての今後について

病気になったり、体力が低下したり、物忘れが出現したり、社会的に孤立してしまっても、その人に合った「仕事」・「やりがい」を一緒に模索し、それらができるように援助すること、その方々の尊厳を活かすような関わりができればと思います。
病気や怪我をしても社会復帰した例はたくさんあります。あきらめる必要はありません。
ちなみに、私個人の目標は80歳になっても作業療法士をしていることです!

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医療法人 徳洲会 大隅鹿屋病院

〒893-0015 鹿児島県鹿屋市新川町6081-1

TEL:0994-40-1111

医療法人 徳洲会 大隅鹿屋病院

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